キッチンカーの縁の下

キッチンカーを呼ぶ費用の相場|出店料の決め方から売上保証・買取まで

「キッチンカーを呼びたいけれど、出店料っていくらに設定すればいいんだろう」

「そもそも、呼ぶのにお金はかかるの?」

主催者の方からいちばん多くいただく質問が、この2つです。

高すぎれば応募が集まらない。安すぎれば運営が成り立たないし、場合によっては「何かおかしいのでは」と警戒される。出店料の設定は、思っているより繊細です。そして依頼の形式によっては、主催者側が費用を払ってキッチンカーを呼ぶケースもあります。

私はキッチンカー業界に19年います。自分で出店料を払って出店してきた側でもあり、イベントや施設の側で出店料を決めて募集を出してきた側でもあります。両方の立場から見えてきた「相場」と「決め方」を、このページにまとめます。

このページはキッチンカーを呼びたい方への関連記事です。手配の全体像から知りたい方は、まずそちらをご覧ください。

キッチンカーを呼ぶときのお金は「3方向」ある

最初に全体像を押さえてください。キッチンカーを呼ぶとき、お金の流れは次の3つのどれかになります。

① 出店料をもらう(通常出店)
来場者が自分でお金を払って商品を買う、いちばんベーシックな形です。集客が見込める場所なら、キッチンカー側が主催者に出店料を払います。主催者の費用負担はゼロ、むしろ収入になります。

② 無料で来てもらう
集客がまだ読めない立ち上げ期のイベントなどでは、出店料を無料にして「まず出てもらう」形がよく使われます。

③ 費用を払って呼ぶ(売上保証・買取)
来場者数が読めない場合や、来場者に無料で振る舞いたい場合は、主催者側が費用を負担してキッチンカーを呼びます。

形式主催者のお金向いているケース
通常出店出店料収入(または無料)集客が見込めるイベント・施設
売上保証1台1日 5万円〜来場者数が読めない・平日の企業出店
買取・振る舞い1食600〜1,000円程度 × 食数懇親会・展示場・無料提供したい場面

①②を選ぶなら、次の「出店料の決め方」が本題です。③を検討している方は、その先の「売上保証・買取の相場」まで飛んでください。

出店料には3つの形がある

出店料の決め方は、大きく3つに分かれます。まずここを押さえてください。

固定制
1日あたり、または1区画あたりで定額を設定する方式です。主催者にとっては収入が読みやすく、出店者にとっても「いくら払うか」が事前にはっきりします。来場者数が読みにくいイベントで多く使われます。

売上歩合制
その日の売上の一定割合を出店料とする方式です。たとえば「売上の15%」「20%」といった形です。来場が多く見込めるイベントや、集客力に自信のある主催者がよく使います。出店者にとっては「売れなければ負担が軽い」安心感があります。

固定+歩合の併用
「最低保証+売上歩合」のように組み合わせる方式です。大型イベントや、ある程度の集客が確実なケースで使われます。

出店料の相場感

ここからは具体的な金額の目安です。ただし、出店料はイベントの集客規模・場所・客層によって大きく変わるため、あくまで「考えるための出発点」として見てください。同じ条件でも地域差があります。

※以下の金額は目安です。実際の設定は、自分のイベントの集客見込みに合わせて調整してください。

小規模な地域イベント・マルシェ
来場が数百人規模の地域イベントやマルシェでは、固定制で 無料〜5,000円程度 が目安になります。集客が読みにくい立ち上げ期のイベントでは、出店料を抑えめにする、あるいは無料にして「まず出てもらう」ほうが応募が集まります。

中規模イベント・お祭り
来場が数千人規模になると、固定制で 1日 5,000〜20,000円程度、または 売上歩合 10〜20% あたりが一つの目安です。集客が見込めるぶん、出店料は上がります。

大規模イベント・フェス・商業施設
来場が多く見込める大型イベントや集客力のある商業施設では、売上歩合 15〜25%、または高めの固定額、もしくは併用が一般的です。集客の土台がある場所ほど、出店料は高く設定できます。

繰り返しになりますが、これは目安です。大事なのは金額そのものより、後で説明する「決め方の考え方」です。

呼ぶ台数でも出店料は変わる

相場を考えるとき、もう一つ忘れてはいけないのが募集する台数です。

基本的な考え方として、呼ぶ台数が少ないほど、出店料は高めでも応募が集まります。理由はシンプルで、台数が少なければ1台あたりの売上の取り分が大きくなるからです。同じ来場者数でも、5台で分けるのと20台で分けるのとでは、1台が売れる量がまったく違います。

逆に、台数を多く集めたいなら、出店料は抑える必要があります。台数が多い=1台あたりの売上が下がる、ということなので、出店料まで高いと「割に合わない」と判断され、応募が遠のきます。

「何台呼びたいか」と「出店料をいくらにするか」はセットで考えてください。少数精鋭で良い店に来てほしいなら出店料は高めでも成立しますし、にぎやかに台数をそろえたいなら出店料は抑えめにする、というのが基本の発想です。

費用を払って呼ぶ場合①:売上保証の相場

ここからは、主催者側が費用を負担してキッチンカーを呼ぶ形式の話です。

売上保証は、「最低◯円の売上を保証します。届かなかった分は主催者が補填します」という形式です。来場者数がまったく読めない初開催のイベントや、平日の企業向け出店、社内イベントなどで使われます。

相場は1台1日あたり5万円〜が目安です。当日の売上が保証額を超えれば、主催者の負担はゼロになります。

キッチンカー側の立場で言うと、売上保証の依頼は「赤字リスクがない」ため応募が集まりやすい形式です。集客に自信がないイベントでも確実に台数をそろえたいなら、この形式が最も堅実です。

一つだけ注意点があります。保証があるからと集客の努力をやめてしまうと、当日キッチンカーは暇な時間を過ごすことになり、「あのイベントはもういいかな」と思われます。保証はあくまで保険で、集客の努力とセットで使ってください

費用を払って呼ぶ場合②:買取・振る舞いの相場

買取は、主催者があらかじめ食数分を買い取り、来場者に無料で振る舞う形式です。企業の懇親会、住宅展示場のイベント、地域のお祭り、周年行事などでよく使われます。

費用は「1食あたりの単価 × 食数」で決まります。単価はメニューによって変わり、クレープなどのスイーツ系なら1食600円前後、ロコモコや丼ものなどの食事系なら1食1,000円前後が目安です。たとえば100食を振る舞うなら、6〜10万円前後を見込んでください。

買取形式で失敗しやすいのは食数の見積もりです。多すぎれば余った分も支払いが発生し、少なすぎれば「もらえなかった人」が出て不満が残ります。参加者数が確定しているクローズドな懇親会は買取に向いていて、来場数が読めないオープンなイベントでは、買取と通常販売を組み合わせる(先着100食無料、以降は通常販売)形が現実的です。

キッチンカーは「出店料」ではなく「売れそうか」で判断している

主催者にぜひ知っておいてほしい、いちばん大事なポイントです。

キッチンカー側は、出店料の金額だけを見て出店を決めているわけではありません。見ているのは、「その出店料を払って、どれだけ売れそうか」です。

つまり、

  • 出店料が高くても、売れる場所なら応募は集まる
  • 出店料が安くても、売れなさそうな場所なら誰も来ない

これが現場の感覚です。出店者は「出店料 ÷ 見込み売上」で、その場所が割に合うかを判断しています。

だから、出店料を下げれば応募が集まる、という単純な話ではありません。むしろ「ここなら売れそうだ」と思ってもらえる情報を提供するほうが、応募は集まります。

具体的には、募集を出すときに次の情報があると、キッチンカー側は安心して応募できます。

  • 来場者数の見込みを正直に書く(盛った数字で呼ぶと、次から誰も来なくなります)
  • 出店料の条件を最初に明示する(後出しの費用がいちばん嫌われます)
  • 募集ジャンルを絞りすぎない(「クレープ限定」より「スイーツ系」のほうが応募は集まります)
  • 依頼は早めに出す(土日は2ヶ月先まで埋まっていることがほとんどです。イベントが集中する4月・5月・10月は3ヶ月前が目安です)

応募が集まる出店料の決め方

以上を踏まえて、出店料を決めるときの手順です。

1. まず「どれだけ売れそうな場所か」を正直に見積もる
来場見込み・客層・滞在時間・競合の有無を、できるだけ現実的に見積もります。ここを甘く見積もると、出店料を高くしすぎて応募が来ません。

2. 出店者の取り分が残るかを考える
キッチンカーの売上の中には、材料費・人件費・燃料費などが含まれます。出店料を払ったあとに利益が残らない設定だと、一度は来ても二度目は来ません。「出店者も利益が出る」価格にすることが、リピートしてもらう条件です。

3. 立ち上げ期は抑えめにする
新しいイベントや、集客実績がまだないイベントでは、出店料を抑えめにして「まず出てもらう」ことを優先したほうが、結果的に良いイベントになります。実績ができてから、少しずつ適正価格に近づけていくのが現実的です。

4. 高すぎる出店料は警戒される
相場から大きく外れた高い出店料は、「集金が目的のイベントでは」と警戒される原因にもなります。近年は出店料トラブルへの警戒感が業界で強まっているため、相場を意識した設定が信頼につながります。

出店料以外に、主催者側で準備しておくこと

見積もりや募集要項には出てこないけれど、当日トラブルになりやすいのがこのあたりです。募集を出す前に決めておいてください。

スペース:車両サイズはさまざまですが、1台あたり駐車スペース2台分程度を確保しておくと安心です。搬入経路の高さ制限(立体駐車場・ゲート)も事前に伝えてください。

電源:発電機持参のキッチンカーが多いですが、施設によっては騒音などの理由で発電機NGの場合があります。電源を貸せるか、発電機の使用は可能か、募集時点で明示しておくと話が早く進みます。

ゴミ:来場者が出すゴミの処理をどちらが持つかは、事前に決めておかないと揉めます。

雨天時の扱い:中止の判断基準と、いつまでに連絡するかを決めておいてください。キッチンカーは前日から仕込みをするため、当日朝の中止連絡は仕込んだ食材が丸ごと無駄になります。

依頼から当日までの流れ

  1. 開催日・場所・想定来場者数・希望台数・出店料の条件を整理する
  2. 募集をかける(知っているキッチンカーに直接声をかける、または募集掲載サービスを使う)
  3. 応募してきたキッチンカーの営業許可証と保険加入を確認する
  4. 出店条件(形式・出店料・電源・ゴミ・雨天時)を書面やメッセージで残す
  5. 当日を迎える

よくある質問

Q. キッチンカーは無料で呼べますか?
A. 集客が見込める場所なら呼べます。キッチンカー側の収入は当日の売上なので、売れる見込みが立つ場所であれば、出店料を払ってでも出店したい事業者は多いです。逆に集客が読めない場合は、売上保証や買取形式を検討してください。

Q. 1台だけでも呼べますか?
A. 呼べます。ただし小規模だと通常出店では応募が集まりにくいことがあるので、売上保証や買取形式も選択肢に入れると確実です。

Q. どのくらい前に依頼すればいいですか?
A. 土日開催なら最低2ヶ月前をおすすめします。1ヶ月前だと、どのキッチンカーも予定が埋まっていることがほとんどです。イベントが集中する4月・5月・10月は、3ヶ月前に動いてください。平日は比較的直前でも調整できることがあります。

Q. 営業許可の確認は必要ですか?
A. 必要です。出店する地域を管轄する保健所の営業許可を持っているかを必ず確認してください。きちんとした事業者なら、提示を渋ることはありません。

まとめ

  • キッチンカーを呼ぶお金には「もらう(出店料)」「無料」「払う(売上保証・買取)」の3方向がある
  • 出店料には固定制・歩合制・併用の3つがある
  • 相場はイベント規模・場所・客層で大きく変わる(目安はあくまで出発点)
  • 呼ぶ台数でも変わる。台数が少なければ出店料は高めでも集まる
  • 来場者数が読めないなら売上保証(1台数万円〜)、振る舞いたいなら買取(単価×食数)
  • キッチンカーは「出店料」ではなく「払って売れそうか」で判断している
  • 出店者の取り分が残る価格にすることが、リピートの条件
  • 立ち上げ期は抑えめ(または無料)に、高すぎる設定は警戒される

出店料は、主催者と出店者の双方が納得できる地点に置くのが理想です。「安く集める」でも「高く取る」でもなく、両者が続けられる価格を探してください。

縁の下なら、無料で募集を掲載できます

「キッチンカーの縁の下」では、イベントや施設の出店募集を無料で掲載できます。掲載した募集は出店募集一覧から全国のキッチンカー事業者が閲覧できます。主催者から直接ご依頼が来た場合は、運営が登録キッチンカーの中から条件に合う事業者にご連絡・ご紹介します。仲介手数料はかかりません。

出店料の設定に迷ったときも、売上保証や買取の食数の見積もりも、出店する側・集める側の両方を経験してきた立場から、お手伝いできます。

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キッチンカーの縁の下は、キッチンカー業界の現場目線で情報を発信するメディアです。運営者は業界19年、出店する側・集める側の両方を経験してきました。

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滝澤 仁

この記事を書いた人

滝澤 仁
株式会社セレーノ代表 / キッチンカーの縁の下 運営者・業界19年

長野県在住。2005年にキッチンカーで起業し、フランチャイズ本部・中古車両売買・業界メディアを手がける。出店する側・集める側・支える側、すべての立場を現場で経験してきた。

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