キッチンカーの縁の下

キッチンカーで働くという選択|未経験から始める人・将来開業したい人へ

「キッチンカーで働くって、実際どうなんだろう」

求人は見かけるけれど、やったことがないと想像がつかない。きついのか、楽しいのか、自分にできるのか。気になっている方は多いと思います。

私はキッチンカー業界に19年います。自分の店でスタッフを雇ってきましたし、フランチャイズ本部として多くの現場を見てきました。「働く側」がどんな日々を送り、どんな人が活躍し、どんな人がつまずくか。雇う側として、間近で見てきました。

このページでは、キッチンカーで働くことのリアルを、正直に書きます。仕事内容、向いている人、未経験者がつまずきやすい点。そして──もしあなたが将来キッチンカーを開業したいと考えているなら、働くことには、想像以上に大きな意味があります。その話も、後半でしっかりします。

このページは「キッチンカーで働きたい方」へ向けた記事です。実際の求人はキッチンカー求人一覧からご覧いただけます。

キッチンカーで働くって、どんな感じ?

まず、率直に言います。キッチンカーの仕事は、とにかく楽しいです。

お客さんとの距離が近く、「おいしかった」の声が直接返ってくる。イベントの賑わいの中で働く高揚感がある。決まった店舗の中ではなく、いろんな場所・いろんなイベントに出かけていく。飲食の仕事の中でも、独特の面白さがあります。

仕事内容は、おおまかにこんな流れです。仕込み、会場への移動・設営、調理・接客・販売、撤収。お店によって役割は変わりますが、未経験で入る場合は、まず接客や簡単な調理補助から入ることが多いです。

働き方にはいくつか種類があります。

  • 単発・スポットのヘルプ:イベントの日だけ手伝う。週末だけ、興味のある日だけ、という関わり方
  • アルバイト:継続的に入る。イベント出店が多い店だと、土日中心になりやすい
  • 長期雇用・正社員:本格的に一員として働く

給料の目安は、求人によりますが、アルバイトで時給1,500円前後、単発のしっかりした現場だと日給10,000〜13,000円ほどの募集も見られます(地域・内容で変動します)。


キッチンカーで働く、意外な楽しみ

働いてみると分かる、特有の楽しみがあります。

特にイベント出店では、他のキッチンカーの商品を買って食べられる。これが地味に最高です。いろんなジャンルの店が並ぶので、休憩時間にあちこち食べ歩ける。

そしてこれは、ただ楽しいだけではありません。実際に買って食べると、味と値段のバランス、盛り付け、オペレーションが見えてくる。同業のオーナー同士で「あの店の○○、どう思う?」と意見を交わすこともある。食べることが、そのまま勉強になるんです。

お客さんに喜ばれ、仲間と賑わいを作り、おいしいものを食べて学ぶ。キッチンカーの現場には、そういう楽しさがあります。


どんな人が向いている?

雇ってきた立場から、活躍する人の共通点を挙げると、こうなります。

  • 体力がある:立ち仕事で、夏は暑く冬は寒い。設営・撤収もある。何より体力が土台です
  • 接客が好き・得意:お客さんとの距離が近い仕事なので、人と接するのが好きな人は強い
  • 明るくて、感じがいい:キッチンカーは店の雰囲気がそのまま売上に出ます。明るい人がいるだけで、店が明るくなる

逆に言えば、特別なスキルや調理経験は、必ずしも最初から必要ありません。体力があって、明るく、人と接するのが好き。それがいちばん大事です。


未経験者がつまずきやすいこと

正直にお伝えします。未経験の人が最初に戸惑うのは、ほぼ一点です。

飲食のピーク時の忙しさです。

お昼時やイベントの混雑時、注文が一気に押し寄せる「ピーク」があります。これは、体感したことがないと、想像以上です。慣れていないと、わたわたしてしまう。頭が真っ白になる人もいます。

落ち着いて動けるかどうか。これが、未経験者にとって最初の壁です。

ただ、これは慣れの問題でもあります。そして、つまずきを減らすコツもあります。働き始める前に、キッチンカーが集まるイベントに、お客さんとして足を運んでみること。混雑時の現場の空気、店がどう回しているかを、一度肌で感じておく。それだけで、いざ自分が立ったときの慌て方が全然違います。いきなり現場に突っ込まれると誰でもわたわたするので、予習のつもりで雰囲気を感じておくのはおすすめです。


将来キッチンカーを開業したい人は、絶対にやったほうがいい

ここからが、この記事でいちばん伝えたいことです。

もしあなたが、いつか自分のキッチンカーを持ちたいと考えているなら。働くことを、心からおすすめします。お金をもらいながら学べる、これ以上ない機会だからです。

理由を挙げます。

想像と、実際はまったく違う

頭の中で考える開業と、現場の現実は、本当に違います。実際にやってみて初めて分かることだらけです。事前に経験しておけば、いざ自分が始めたとき、慌てずに済む。さまざまなトラブルにも対応できる。この「経験しているかどうか」の差は、開業後に効いてきます。

オーナーに、何でも聞ける

現場で一緒に働けば、そのキッチンカーのオーナーに、何でも質問できます。何を売ればいいのか、売上はどれくらいか、苦労することは何か──開業前にいちばん知りたいことを、実際にやっている人に、その場で聞ける。これほど生きた情報源はありません。本やネットの情報とは、密度が違います。

横のつながりができる

現場では、他のキッチンカー事業者とも知り合えます。仲良くなっておくと、独立してからも仕事を紹介してくれたり、困ったときに助け合えたりする。この業界は横のつながりが本当に大事で、それを開業前から築けるのは、大きな財産です。

お金をもらいながら、修行できる

考えてみてください。これだけの経験──現場のリアル、オーナーへの相談、人脈づくり──は、本来ならお金を払ってでも欲しいものです。それを、逆にお金をもらいながら得られる。こんなにいい話はありません。

開業を考えているなら、いきなり車を買って始めるより、まず一度、現場で働いてみる。その一歩が、開業後の成否を分けると言っても、大げさではありません。

開業そのものについては、キッチンカー開業の基礎知識もあわせてどうぞ。

まとめ

キッチンカーで働くことについて、正直なところを整理します。

  • 仕事はとにかく楽しい。お客さんとの距離が近く、いろんな現場に出られる
  • 他のキッチンカーの商品を食べられて、それが勉強にもなる
  • 向いているのは、体力があって、接客が好きで、明るく感じのいい人
  • 未経験者の壁は「ピーク時の忙しさ」。事前にイベントに足を運んで雰囲気を感じておくとよい
  • 単発ヘルプ〜長期まで、関わり方はいろいろ
  • 将来開業したい人は、絶対にやったほうがいい。お金をもらいながら学べる最高の機会

特別な経験はいりません。やってみたい、という気持ちがあれば、十分です。そして、とにかく楽しい仕事です。


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キッチンカーの縁の下は、キッチンカー業界の現場目線で情報を発信するメディアです。運営者は業界19年、スタッフを雇う側も、現場も見てきました。

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滝澤 仁

この記事を書いた人

滝澤 仁
株式会社セレーノ代表 / キッチンカーの縁の下 運営者・業界19年

長野県在住。2005年にキッチンカーで起業し、フランチャイズ本部・中古車両売買・業界メディアを手がける。出店する側・集める側・支える側、すべての立場を現場で経験してきた。

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